食事

東洋医学からみた、お粥の健康効果

粥の健康効果について

今回はお粥の健康効果についてまとめてみました。
現代の栄養学の観点からではなく、お経の中に出てくる文言や、江戸時代の文献を参考にしています。

お粥の十のご利益

禅寺では粥を「しゅく」とよび、何百年も前から朝食にはお粥を食べてきました。
器の広げ方から、片付けるまで全て作法が決められており、その途中で以下のようなお経を唱えるところがあります。

粥有十利 饒益行人 果報無辺 究竟常楽」
(しゅうゆうじり にょいあんじん こほうぶへん きゅうきんじょうら)

お粥には十の利益があり、食べる者の仏道成就を助けるものとされており、お粥がいかに仏道修行に重要なものかがわかります。
十の利益は以下のようになっています。

①色 (体の色つやが良くなり)
②力 (気力を増し)
③寿 (長命となり)
④楽 (食べすぎとならず、体が安楽)
⑤詞清辯 (言葉が清くさわやかになり)
⑥宿食除 (前に食べた物が残らず胸やけもせず)
⑦風除 (風邪もひかず)
⑧飢消 (消化よく栄養となって飢えを消し)
⑨渇消 (のどのかわきを止め)
⑩大小便調適 (便通もよい)

本朝食鑑に見る米、おかゆの効能

本朝食鑑とは

江戸時代に書かれた医薬に関する本で、その中でも特に優れているとされている。
日常よく用いられる食品食物について詳細な解説がされている。

米について

米は気力を増し、血の流れをよくして、体全体のバランスを調え、顔色を良くする。
人参などのように百薬の長と呼ばれる食べ物でも、常食とすれば毒になることがある。
薬と呼ばれるものは本来毒をもつものであり、その毒が病に効くので薬と呼ばれるのである。
その点、米は無毒であるため、病人にとっても薬となり、健康な人にとっても薬となる。

粥について

粥には生米から作る方法と、飯から作る方法がある。
生米の粥は味が濃く、壮実な(体力のある)人に向いている。
飯の粥は味は淡く、高齢者、長患いの人、胃腸の弱い人に向いている。
米を挽いてお粥にするものを割粥(わりかゆ)、米粒のままお粥にするものを円粥(まるかゆ)と言い、割粥の方が虚弱体質向けであり、その度合いは挽き具合で調整できる。
脈が弱く、下痢が止まらない時に、毎朝夕、白粥を食べると良い。湯水を飲むことがなければ癒える。
下痢の後の体調を調える。
小児の吐乳に対し、割粥をさらに煮て味噌汁を少し混ぜ、温かいのを小さじ1杯服用すると効果のあることが多い。

まとめ

お粥はひとつでも様々な使い方、健康効果があることが分かったのではないでしょうか。
蔭凉寺では、実際の修行僧と同じ作法でお粥を体験できる「坊主食堂」を開いています。
詳しくはこちらからどうぞhttps://mokujiki.net/service/bozushoku

コメント

この記事へのコメントはありません。